撮ったその場で渡せるL版写真

デジタルを思い出の障壁にしないために

写真の楽しみ方って本当に色々ある。でも多様化しすぎて共有が難しくなってきてしまっているという問題を常々感じていた。具体的にこの問題の話をすると長くなるので別エントリーで書くけど、すごく簡単に言えば「SNS上でシェアできない人に写真を届けるのってすごく難しい」って事。そしてその解決策としてその場で印刷された写真を渡すという方法を思いついた。その実現方法を模索していますよ、というのが今回の話。

どのモバイルプリンタがいい?

バッテリーで駆動できるモバイルプリンタって、本当に選択肢が少ない。昔はプリンカムっていうプリンタ内蔵デジカメのなんてのもあったんだけどなあ。

で、いま入手できてランニングコストが安くてかつ消耗品も永続的に入手できそうな製品といったら、CanonのSELPHYの一択だ。

キヤノン SELPHY セルフィー CP900 ブラック

キヤノン SELPHY セルフィー CP900 ブラック

CP900は2012年9月発売の製品だが、どうやら海外では後継機のCP910というのが既に発売されているらしい。たぶん日本のラインナップも在庫が捌け次第CP910に置き換わっていくだろう。ってことで消耗品の入手についてはまだ安心できそう。

Canon KL-36IP カラーインク/ペーパーセット 3PACK

Canon KL-36IP カラーインク/ペーパーセット 3PACK

ランニングコストもL版(厳密にはL版より長辺がちょっと短い)1枚あたり20円ほど。これならインクジェットと変わらないか下手するとこっちの方が安い。

キヤノン バッテリーパック NB-CP2L 0188B002

キヤノン バッテリーパック NB-CP2L 0188B002

キヤノン チャージャーアダプター CG-CP200

キヤノン チャージャーアダプター CG-CP200

別売のバッテリーも6千円くらいなので容量を考えると以外とお買い得。でも納得いかないのはチャージャーアダプタ。なんとバッテリー本体より高い。プリンタにバッテリーを直接接続できないからこのチャージャーアダプタでDCプラグに変換する必要があるんだけど、本当にただDCプラグに変換してるだけ。販売数が期待できない製品とはいえ不親切すぎる価格設定。ちなみにDCプラグの仕様は2.1φ5.5mmのごく一般的な形状。プリンタのACアダプタのDC出力は24V1.8A。バッテリーは22.2V1200mAhのLi-ionだ。腕に覚えのある人はラジコン用のバッテリーなどを使って自作してもいいだろう。

カメラとの接続方法

カメラとプリンタの接続方法は、WifiとかSDカードとか色んな方法がある。でも原始的なUSBのPictBridgeが一番確実で早かった。

印刷時間は5D Mark3でシャターを切ってから印刷完了まで1分をちょっと切るくらい。 これなら、ちょっと小話しているうちに印刷できる。しかもジージーと1色ずつ印刷されていく様子は見ていて楽しい。きっと子供なら喜んでくれるはずだ。

そしてCanonの一眼の場合、PictBridgeなら再生画面からSETボタンを2回押すだけでプリントされる。この操作のシンプルさは色んな事を処理しないといけない撮影現場ではとても心強い。

プリンタをバッグに詰め込む

このCP900はカートリッジ式の前面給紙/前面排紙。でも印刷するときに背面から用紙が飛び出してくる点に注意が必要。インクジェットと違ってCMYのインクフィルムを3回転写することで印刷する方式だから、印刷中は用紙が4回(CMY+コート層)前後にジージーとピストンするのだ。

なので本体をそのままボストンバッグなどに放り込んで稼働させることはできない。後ろ側に用紙が出てくる空間を確保しておく必要があるのだ。

マウントボードの作成

そこでこんな感じの治具を家に余っていたパイン集成材とアクリル材で作った。なんとなく機材の色にあわせて艶消し黒でスプレーしてみたけど、べつに塗らなくてもよかったかも。

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ボードのサイズは400×200mm。プリンタ後ろ側は端材で15mm浮かせて3mm厚のアクリル板をビス止めしている。これでバッグの中でケーブルなどが印刷中に絡まってしまう心配がなくなる。

プリンタとバッテリーを載っけるとこんな感じ。

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それをバッグに詰め込むとこんな感じ。

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これで、移動しながら撮影して、その場でプリント、その場で渡せるんである。 さっそく、明日のイベント撮影で使ってみる。使用感とかもらった人の反応とかはまた後日。